乳酸菌の特徴いろいろ

乳酸菌と糖尿病

糖尿病は生活習慣病の代表ともいえる病気ですが、近年は乳酸菌が糖尿病にもたらす有用性についての研究が進んでいます。
乳酸菌が糖尿病に対してどのような効果があるのか見ていきましょう。

糖尿病のメカニズムとは?

糖尿病は、高血糖が続いたり、血糖値を下げる働きが上手く働かなくなると発症する病気です。
尿中に糖が含まれることから糖尿病と呼ばれ、さまざまな合併症も引き起こします。
通常は食事をすると血糖値が上がりますが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きで血糖値が下がる仕組みになっています。
しかし高い糖分の食事を続けることですい臓が疲弊したり、何らかの原因でインスリンが分泌されなくなると、血糖値の調整ができなくなり高血糖の状態になってしまうのです。

乳酸菌がもたらす意外な効果

乳酸菌が血糖値を下げる働きについてさまざまな研究機関で研究が進んでいます。
中でも、乳酸菌によってインスリンの分泌を促進する、という効果が注目されています。
マウスを用いた実験で、乳酸菌を摂取すると、腸の細胞からGLP-1というインクレチンホルモンが分泌されることがわかっています。
このGLP-1はインスリンの分泌を促すホルモンです。
そのため、結果的にすい臓に働きかけてインスリンの分泌が促され、血糖値が下がるのです。
人に乳酸菌を与えて血糖値の変化を確認した実験では、乳酸菌を含む食品を摂取した人の方が摂取していない人に比べ血糖値の上昇が抑えられている、という結果も出ていますよ。

また、乳酸菌が含まれる代表的な食品にヨーグルトがあります。
ヨーグルトは血糖値を緩やかに上げる低GI食であるため、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。

乳酸菌の糖尿病に対する人の臨床試験はまだ十分な段階ではありませんが、さまざまな研究結果から、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
現状糖尿病に対してはインスリンの注射が一般的な治療法ですが、今後乳酸菌を使ったプロバイオティクスの側面からの治療法が期待されます。